看護師として大切な資質といえば、まずはハードな現場でも耐えられる体力、少しの事では動じない精神力を中心に、誰とでも上手くやっていけるコミュニケーション能力、間違いを起こさない几帳面さなどが挙げられます。そして患者さんにとっては思いやりも看護師に求められています。元々看護師は白衣の天使と呼ばれる存在です。病院を訪問する、あるいは入院中の患者さんは体だけではなく、精神的にも弱っている事が考えられます。わかりやすくテキパキと説明してくれる、採血が上手といった看護師も有難い存在ですが、思いやりがあって、優しく励ましてくれる看護師の方が、患者さんにとっては大きな存在になりうるのです。

精神的に弱った患者さんを励ます場面はたくさんあります。生命の危機に脅かされている場合は、この上もなく不安な気持ちを抱くものです。上辺だけの笑顔は見透かされてしまうため、真剣に患者さんと向き合い、心が落ち着くまで寄り添ってあげる事が大事です。余命が限られているなら最期は楽しく過ごせるように、また頑張って治療を受ければ回復の見込みがあるなら前向きになれるよう、看護師の接し方によっても患者さんの気持ちは変わっていくものです。また患者さんだけではなく、付き添う家族にとっても力強い味方になりたいものです。家族が抱える不安や苦悩などをゆっくり聞くだけでも、家族にとっては心が軽くなり元気を取り戻してくれるようになります。ほんの少しの思いやりで、多くの人の気持ちを楽にさせられるのも、看護師という仕事の魅力でもあります。